Healthy Correction

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禁煙アパート建築の野望〜集合住宅において、吸う人と吸わない人は共存できない〜

禁煙アパート

禁煙アパート建築の野望

  以前より暖めていた、禁煙アパートの建築計画を進めていくことにした。1棟目は親が相続して放置していた築古空室アパートの土地活用を検討している。

 融資の問題等、超えなければならないハードルがいくつかあるので、最終的に完成に至るかどうかは分からないが、この経験は「完全禁煙の集合住宅を提供する」という野望の今後の展開に活かされるだろう。

 禁煙アパート建築記シリーズの序章として、喫煙禁止の集合住宅が必要とされる理由について説明しておきたい。

※本来は「喫煙禁止」と表現すべきだが、一般的になじみのある表現としてあえて禁煙アパートと呼んでいる。

※※ここでの「禁煙」の定義は、電子たばこ、加熱式たばこを含むあらゆる依存性薬物の使用禁止である。

プライベート空間における受動喫煙被害

 2018年に成立した改正健康増進法により、喫煙天国の日本においても飲食店をはじめとする公共空間の喫煙規制が少しずつ強化されてきた。

 しかしながら、個人の居住空間における規制はなく、家庭内受動喫煙による子供の深刻な健康被害や集合住宅におけるベランダ喫煙トラブル、たばこの不始末による火災など、たばこ関連の悲劇は飲食店以外でも枚挙にいとまがない。

喫煙禁止の集合住宅が必要とされる理由

ベランダ喫煙問題

 アパート・マンションにおいては、住民同士の距離が近いうえに建物の一部を共用しているため、たばこ関連トラブルが起こりやすい。
 近年、集合住宅におけるベランダ喫煙トラブルが多発しており、受動喫煙による健康被害によって裁判にまで発展した例がある

ベランダでの喫煙に対し、 損害賠償命令が出された事例/名古屋地方裁判所 平成24年12月13日 | 大阪市マンション管理支援機構

  喫煙者の家族の健康被害や自室のヤニ付着を防ぐために、隣人の洗濯物を汚染したり他人の健康を奪うことは許されない。

 加えて集合住宅のオーナーや管理会社には、入居者が居室内で健康で文化的な生活を営めるよう適切に管理し、精神的苦痛や健康被害が生じないようにする義務がある。

www.tabaco-manner.jp

換気扇喫煙問題

 上記のベランダ喫煙トラブル増加の影響もあり、室内の換気扇の前で喫煙するケースも多い。

 しかし、たばこの煙は換気扇の排気口からベランダ方面、共用部の廊下方面に流れ出るのであるから、「犯人」が分かりにくくなっただけで状況としては大きな違いはない

 しかも大規模マンションなど機密性の高い建物の場合、排気ダクトが共用になっている場合もあり、換気扇から他人のたばこの煙が流入してしまうことさえある。

※これは筆者も実際に体験しており、一時期、謎のタバコ臭がキッチンに漂っていたことがある。調査によって換気扇が流入元だと判明した。

 どんな部屋でも空気の入れ替わりは必ずあるため、喫煙者が同じ建物内で喫煙したら受動喫煙被害を防ぐことはできない。 集合住宅で隣に喫煙者が住んでいるという事は、喫煙所の隣で生活しているようなものである

無用な火災リスク

 火災リスクの増大も無視できない。近年の喫煙率の低下にもかかわらず、住宅の主要な出火原因はたばこである。

死者数から見た危険な出火原因は「たばこ」

死者数から見た危険な出火原因は「たばこ」 出典:総務省消防庁

集合住宅のたばこトラブルを防ぐ禁煙アパート、禁煙マンション

 ここまで見てきたとおり集合住宅においては、喫煙者と非喫煙者は共存する事ができない。しかし、日本で供給されている集合住宅のほとんどに喫煙者が住んでおり、ベランダを含む共用部分喫煙禁止のルールが定められているケースはあるものの、室内の喫煙を禁じているケースはほとんどなかった。

 そんな中、近年の喫煙規制の流れに呼応して少しずつではあるが、禁煙アパート、禁煙マンションが供給され始めている。

www.kodomo-kenkou.com

toyokeizai.net

大家にとってもメリットが多い完全喫煙禁止の集合住宅

 賃貸住宅でトラブルが起きた場合、たいてい退去するのはトラブルを起こした側ではなく被害者側である。

 さらにたばこの煙による居住設備の劣化が起きないことなど、退去時の原状回復費用トラブルの原因も少なくなる。

喫煙禁止住宅という選択肢

 禁煙アパート、禁煙マンションが増えてきたとはいえ、わざわざニュースになるほどに数は限られており、個別の地域で見た場合にはまだ選択肢がないというのが現状である。

 個人で建てられる集合住宅の規模は小さく、全国の非喫煙者に選択肢を与えられるほど拡大することはできない。

 それでも完全禁煙の集合住宅運営の成功事例が増えることで、ビジネスとして大手企業も参入するようになり、スモークフリーの集合住宅が選べる時代が来れば幸いである。

参考リンク

www.kinrin-judokitsuen.com

 近隣住宅受動喫煙被害者の会 代表代行で顧問弁護士の岡本光樹先生の著書。